賃貸業界の広告料(AD)
~入居者募集を促す仕組み~

賃貸業界の広告料(AD)~入居者募集を促す仕組み~

賃貸業界における広告料とは

入居募集物件の客付けを促します

賃貸募集の際に大家さんが仲介業者に対して、「広告料」として大家さんが任意で支払うものです。仲介手数料とは別に支払う費用になります。

大家さんにとっては一時的な出費となりますが、入居者の募集・客付けには有効で、契約の決定率にも差がでます。

賃貸仲介業者からすれば、広告料の付いていない物件よりも、広告料の付いている物件の方が広告掲載に充てる費用が捻出できたり、売上が増えるので、積極的に紹介したくなるのは当然です。

広告料と仲介手数料との違い

広告料は物件や募集時期などによって異なりますが、大家さんや賃貸管理会社が仲介業者に紹介を依頼する際に、募集図面(マイソク)に表記されることが多く、広告料やADまたはB(バック)と表記されます。

例えば広告料が賃料の半月分までの場合AD50やB50といった感じ、賃料の1ヶ月分までの場合はAD100やB100またはそのまま賃料の1か月分までなどの表記がされています。

賃貸仲介業者が受け取ることのできるものなので、仲介手数料と同じように思われがちですが、仲介手数料は文字通り「入居者に物件を紹介し、成約に至ったことに対する手数料」、一方の広告料は「物件を優先的に紹介するためにする広告の費用」として扱われています。

賃貸仲介業者は貸主、借主から合計して最大賃料の1ヶ月分までの仲介手数料を受け取ることができます。

それに対して広告料は、大家さんの依頼により仲介業者が受け取るとこのできる料金ですが、実際は管理会社と大家さんの話し合いで設定されることが多いです。

あくまで依頼者の要望を基に行う広告ですので、仲介手数料とは別に受け取ることができます。

広告料を付けるタイミングと注意点

入居の見込みがない場合は広告料

所有する物件が都市部ではなく、郊外の物件の場合には広告料を付けることが効果的です。

郊外では、そもそものお客さんの分母が少ないので、少しでも優先的に紹介をしてもらうために広告料を付ける大家さんが多いです。付けていないと逆にライバル大家さんに差を付けられることになります。

また差別化のために、家賃の引き下げをすると年間収入が減ることになり、年間収支(利回り)が下がってしまうので、できるだけ家賃を下げず一時的な出費として広告料を付け入居者確保を行います。

また、賃貸需要が多い都市部であっても、夏場などの賃貸の動きが落ち込む時期は、入居希望者が少なくなるので、広告料を付けて他の大家さんと差別化することも可能です。

しかし、考えることとは誰しも同じで、多くの大家さんが似たような対策を取るので、単純に広告料1ヶ月だけでは差別化されない場合もあります。

周辺の様子を見て、数ヶ月の間に入居申込が入らない状況が続くようなら、広告料を付けること、またはその額を引き上げることを検討しましょう。

広告料を付ける時の注意点

高い効果が見込まれる広告料ですが、条件を誤ると痛い出費になりかねません。

主に次の3点を注意して検討してください。

  • 適切なタイミングか
  • 周りの大家さんはどうしているか
  • 他に見直す点はないか

特に3つ目の「他に見直す点はないか」については、中長期的にみても重要です。

全体的な見直しで、広告料に頼りすぎない

広告料を増やして集客することも一つの手段ですが、その前に賃貸経営全般で見直すところはないか確認をする必要があります。

家賃の設定金額や敷金・礼金など、最近の賃貸状況をよく見て現在の募集条件設定が適切かどうか見極める必要があります。

また、物件の設備やお部屋の状況(経年劣化があるなど)を見直すことも欠かせません。

そうして募集状況の内と外を知ることで、健全な賃貸経営を実現することが可能になります。

まとめ

まずは自分が保有している物件の内容を知ることが大切です。広告は集客において多大な効果をもたらすことがありますが、広告料を付ける前にまずは現状をしっかり確認する必要があります。

設備は充実しているか? 賃料や募集条件が相場と乖離していないか? など賃貸経営全体の内容をもう一度見直しましょう。

その上で本当に広告料が必要か見極め、適切な対処を心掛けましょう。

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