原材料が次々値上げ、
リフォーム・原状回復工事費用の影響

原材料が次々値上げ、リフォーム・原状回復工事費用の影響

原状回復に使われる原材料について

退去後の原状回復工事とは?

本題に入る前に、まず原状回復工事とは何かおさらいします。

原状回復工事とは入居者が部屋を退去した際に、破損や損耗が生じた部屋の状態を、部屋を借りた当初の綺麗な状態に戻す工事のことを言います。

原状回復の施工の内容は?

続いて原状回復工事における、施工の内容についてお話します。

主なクリーニング内容として、お部屋全体を綺麗にするハウスクリーニング(クロスは除く)、エアコンのフィルター清掃などを掃除するエアコン内部洗浄などがあります。

ハウスクリーニング

エアコンクリーニング

入居者の入居年数・使用状況による部屋の状況によっては、クロスの張替え工事やクロスクリーニング、浴室鏡の研磨、床傷補修、フローリングワックスの剥離などの追加の修繕工事が発生します。

地球の資源に結び付いている

原状回復工事で必要な材料

それぞれの工事内容によって、原状回復工事で使われる材料も変わります。

クロス張替えの場合は、クロスが、床工事の場合、床材が材料として必要になります。

それぞれの材料を、さらに細かく見てみると、クロスは木綿・麻といった自然素材やパルプ・ポリエステル・レーヨンなどの化学繊維を絡み合わせて作られる不織布壁紙、シルク素材・サテン素材などがあります。

また床材は、広葉樹(サクラ、ケヤキ、ブナなど)、針葉樹(スギ、マツなど)などの木が原料となっています。

つまり、原状回復で使われている資材の材料は、地球の資源と直結している訳です。

ウッドショックの影響

アメリカでコロナ禍からの回復により、住宅需要が急増しました。もともと山火事等で不足していた木材がさらに不足し、世界的に供給困難な状況に陥りました。これが「ウッドショック」です。

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻により、各国がロシアに対して経済制裁を行ったことで、資源大国ロシアから木材の輸入が難しくなっており、これらもウッドショックに拍車をかけています。

木材そのものの価格が高騰することで、木を使う住宅はもちろん木を材料とする各工事も、必然的に価格が上昇するという状況になっています。

林野庁:木材輸入実績

日本銀行:国内企業物価指数(木材)

原状回復工事への影響は?

最後に、原状回復工事への影響と今後についてです。

上記でご紹介したクロス工事や床工事なども木を原料としているので、徐々に価格が上昇してきています。

退去時の原状回復工事は、最終的には契約書に則り退去精算が行われますが、場合によっては貸主・借主ともにこうした原料高の影響を受けると考えられます。

いずれにせよ、退去の精算手続きはトラブルになるケースが多いので、契約の際に退去時の費用や、敷金・保証金などの確認、退去時にお互いがしっかりと話し合って手続きを進めることをお勧めします。

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