アパートやマンションの経営においては何より安定的かつ長期的に家賃収入を得られることが重要となってきます。
安定した家賃収入を得るために、入居者側のニーズとして、
- 最寄り駅からの距離、近隣のスーパーや商業施設などの利便性
- 間取や充実した設備といった使い勝手など
がよく挙げられます。
そして、マンション経営を実際に運用する側として、物件選びで特に注意しておかなければならない点を3つ挙げてみたいと思います。
不動産投資のプロの視点からみる
要注意の物件
地域相場に比べ利回りが高い物件
販売価格に対して、現況の家賃が高いと利回り表記もよくなります。
一見利回りが高いと収益性がよく、効率的な運用ができる良い物件だと思いがちです。果してその利回りは地域の相場に見合っているのでしょうか?
現況の家賃が相場に比べて高すぎるといったことはありませんか?
もし現在の入居者が退去してしまった場合、今までと同じ家賃では借り手がつかず募集家賃を下げざるを得ないことになり、購入当初の利回りとは大幅に違ってきてしまいます。
管理費、修繕積立金が安すぎる物件
毎月の管理費、修繕積立金が安すぎる物件は要注意です。
管理費は建物管理を運営する上で、日々の清掃業務から定期清掃、定期点検などに充てられます。しかし管理費会計が十分でないと、これら業務が適正に行えなくなったり、突発的な不具合の対応が疎かになったりします。
また、修繕積立金についても同じで、多くの物件は新築当時1,000円~2,000円に設定されていることが多く、当初販売の際の月収支を良く見せるためと言われています。
しかし、この金額では早々に不足が生じてきますので、数年毎に値上がりしていきます。
そして計画的に値上がりしていればまだよいのですが、管理組合の承認が得られずに値上がりしていない物件要注意です。
修繕積立金に不足が生じ、将来的に大幅な値上げをせざるを得ないことになったり、一時金として各区分所有者に数十万円の徴収がかけられたり、なんてこともあります。
一定の入居者層にたよったエリアの物件
賃貸経営を行う際、以前はよく大学の近くが良いとか、大手企業の大規模な事業所や工場がある場所が堅いとかいわれました。
最近では、大学側も学生確保のために、地方から都心の利便性のよい場所に校舎を移すようになってきています。
また企業においても同様で、今までその地域全体が大手企業のお蔭で飲食店や商業施設全てが潤っていたのが、突然、工場の閉鎖や移転で、様子が一変してしまいます。
こうなると、今までこの物件は○○大学の学生で満室とか、ほとんどが○○会社の社宅契約……とは言えなくなり、空室物件が続出、中には半年、1年空室のままといった事態にもなりかねません。
この様に一定の入居者層に頼ったエリアでの賃貸運用はリスクも伴うのです。
不動産運用は長期的な安定が大切です
上記の3点については、営業マンの言い方ひとつで物件の優位な点に言い換えることができます。
冒頭でもお話しましたが、不動産運用は長期的な安定が何より大切なキーワードとなりますので、特に気を付けていただきたいポイントとなります。