実物資産、REITの違い

実物資産、REITの違い

不動産投資と言っても、様々な投資先があります。

1棟アパート、1棟マンション、新築、中古、区分以外にも、エリアも東京なのか地方なのか、また実物資産なのか投資信託なのか。

種類や組み合わは多種多様です。その中で、実物資産とREITを比較しながら紹介してみます。

不動産投資の実物資産とREITの違いとは?

融資で始める実物資産

実物資産の場合は、サラリーマンや公務員の方が金融機関からの融資を受けて始めるのが一般的です。

相続税対策で、現金購入することもありますが、ほとんどは融資を利用しています。

不動産自体に担保力があり、その信用力で融資を引き出せます。

長期に渡って家賃収入を得るために保有する方が多いです。

[図説]不動産投資の場合、金融機関は投資用不動産の担保力すなわち信用力に対して融資します。

 

図は「他人資本が使えるマンション経営」から引用

 

証券として扱われるREIT

実物資産に比べてREITは不動産を証券化して売買します。

「REIT」=Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略称です。

投資家から資金を集めて不動産運用して得た賃料収入や売却益を投資家に分配する金融商品になります。

投資先はオフィスビル・商業施設・マンションなど、複数の不動産が対象になります。

売買の仕方は株式と同様、証券会社を通じて売買します。

投資単位は1口。1口1万円~100万円以上と少額なのでローンを組まずに始めることが出来ます。

[図説]REITは証券会社が複数の投資用不動産を証券化します。そして投資家から投資を募り、不動産を運用します。そこで得た賃料収入や売却益などを分配金として投資家に戻します。

メリット・デメリットからみる実物資産とREIT

日本でのREITは2001年9月に市場が創設されたので、まだ20年ほどの歴史しかありません。

実物資産は長屋の時代から大家さん業というものがあり、長い歴史があります。

それぞれのメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

実物資産のメリット・デメリット

まず実物資産は、1棟または区分でも所有権が登記されます。

自己責任になりますが、賃貸管理もオーナー自身が好きなように運用できます。

例えば家賃や管理費、敷金礼金などの条件設定、お部屋の設備仕様を変えたり、リフォームなどもご自身の判断でできます。

また、オーナー自身がDIYすることも可能です。

自分で管理するのが難しい場合には、賃貸管理を業者に任せることも可能です。

所有しているために起こるリスクもあります。

入居者が付かず空室期間が長くなれば家賃は入ってきません。

また実物資産だからこそメンテナンスも大事になってきます。

設備と建物の定期的な修繕は、安定した家賃を維持するために必要不可欠です。

[図説]実物資産のメリットは自分好みで運用できることです。デメリットは空室になると家賃収入がなくなることです。

REITのメリット・デメリット

REITはどうでしょうか?

証券を1口単位で購入するので所有権はありません。

ですが、運用をプロにお任せでき複数の不動産に投資することが可能です。

少額での投資で住宅だけではなくオフィスやテナント、またエリアの分散が可能です。

売却もしやすいので換金性も高いと言えます。

REITは元本が保証されておらず、証券市場に上場しているため、様々な要因で価格が上下します。

株式市場や不動産市況の影響を受けるので、個別の業績に変動がなくても株式と同様に価格が下落する場合もあります。

[図説]REITのメリットは、少額で複数の不動産に投資できることです。デメリットは、証券化されているため株式市場や不動産市況の影響を受けることです。

バランスのとれた資産形成を

それぞれにメリットデメリットがありますが、資産形成においてリスク分散は大切です。

現金・証券・実物資産とバランスよく所有するのが理想ですね。

REITと違い、融資を受ける実物資産の投資の場合、物件の担保力だけでなく、融資を受ける本人の審査も必要になります。

ご年収や勤続年数だけでなく、勤務先や資産状況なども審査対象になるため、ご自身が実物資産の投資ができるのかできないのか、確認してみてもいいかもしれません。

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