毎年10月に全国賃貸住宅新聞に「入居者に人気の設備ランキング」掲載されます。

新しく登場した設備、定着して生活の一部となった設備、需要がなくなり見かけなくなった設備。いろいろあります。

今回は、最新の賃貸住宅設備について触れていきたいと思います。

日本で一番古い集合住宅の設備は?

日本で最初の物件は戦前の1932年(昭和7年)現在の大阪市都島区に建てられた集合住宅「トヨクニハウス」。Googleストリートビューで見る(別画面)

現存する鉄筋コンクリート造りの集合住宅としては、おそらく日本最古といわれています。

公務員の初任給が55円だった時代に、当時物件の家賃は100円以上だったそうです。

間取りは2DK。設備としては、キッチンとトイレのみですが、トイレは建築当時から水洗でした。

6棟あったうち4棟だけが残っており、リフォームを繰り返しながら、現在も入居者が生活しています。

トヨクニハウスが建てられてから約80年、その後も増えて続けている賃貸住宅では、生活様式の変化に伴い付帯する設備も多くなっています。

さらに、次々と寄せられる入居者のニーズにも対応して、目まぐるしく進化しています。

10年前と比較、人気の設備

10年前(2011年)の人気設備ランキングを振り返りながら、単身者向け物件の賃貸設備の変化を見てみましょう。

2011年の人気設備ランキング
2011年 順位 2021年
ブロードバンド無料 1位 インターネット無料
オートロック 2位 宅配ボックス
TVインターホン 3位 オートロック
浴室換気乾燥機 4位 高速インターネット
ウォークインクローゼット 5位 オートロック

初出:週刊全国賃貸住宅新聞 2011.11.28号、2021年10月28日号

ランキング上位の設備は、近年の賃貸物件に備え付けられている設備とは、大きな違いはありません。

しかし、設備自体のスペックや構成内容が変化している物もあります。

インターネット設備の変化

ランキング1位のインターネット無料接続は、単身者だけではなく、ファミリー向けでも今年のランキング1位です。

インターネット回線は、スマートフォンの普及により必須設備となっています。

さらに「高速インターネット」は在宅勤務でのオンライン会議やオンライン授業などの需要が増えたことから、注目が高まっています。

これは、2021年の単身者向けのランキング4位に入るなど、インターネット接続のスペック重視している入居者が増加していることが垣間見れます。

ファミリー向け人気設備ランキング
順位 設備
1位 インターネット無料
2位 オートロック
3位 宅配ボックス
4位 システムキッチン
5位 追い焚き

モノに結び付くインターネットへ

2021年9月に東京で開催された「全国賃貸住宅新聞主催の賃貸住宅フェア2021」では、出展していたブースの3割がIoT(モノに繋がるインターネット)関連でした。

物件に付加価値を提供する商品を取り扱いしている企業が多く、

  • 「高速インターネット」への変更
  • スマート家電・スマートロックを連動させるためのゲートウエイ

などをセットにした商品などが数多く紹介されてました。

中でも、2021年では2位の人気設備である「宅配ボックス」は、サイズごとの製品や宅配ボックスに商品が届いた事をスマートフォンにお知らせが届いたり、インターホンに記録されるなど、IoTと組み合わせた商品になっています。

ご紹介した人気設備は、空室対策として参考になると思います。しかし、全ての設備を導入すれば入居者が決まる訳ではありません。

物件があるエリアやニーズにより、効果的な設備は何なのかを判断して導入することは必要です。

それでも、建物の外観がボロボロ、共用部が汚れが目立つなど、目に見える不備や、周辺相場とかけ離れた家賃設定にしてしまうと、人気設備の効果なく空室は続きます。

何事も適切にバランスよくするのが、最善といえます。