東京都心部で進む鉄道新路線計画の中で、かねてから注目されていた「羽田空港アクセス線」の計画がついに始動しました。

羽田空港アクセス線の導入により、首都圏の交通網が大きく変わろうとしています。

羽田空港アクセス線とは?

羽田空港アクセス線は、JR東日本が計画している新路線です。

東海道貨物線の一部を乗客が乗れるように(旅客化)しながら新線を建設します。

そして、羽田空港から東京駅や上野駅、渋谷駅や新木場駅などに直通列車を運行する構想です。

計画では、羽田空港の国内線第1ターミナルと第2ターミナルの間に「羽田空港新駅」を設けます。

そして東京貨物ターミナルまでの約5.0kmの「アクセス新線」を建設します。

羽田空港新駅を起点として、アクセス新線を通る3つのルートが建設される予定です。

  • 東山手ルート……田町駅方面から東京駅まで約18分(乗り換えなし)
  • 西山手ルート……大井町駅方面から新宿駅まで約23分(乗り換えなし)
  • 臨海ルート……りんかい線東京テレポート方面から新木場駅まで約20分(乗り換えなし)

この「羽田空港アクセス線」は、2000年に初めて具体的に示され、2013年に整備の検討に入り、翌年の2014年に計画を正式に公表しました。

そして、2018年7月には「羽田空港アクセス線」の開業を早ければ2028年と公表しました。

2019年5月にはJR東日本が「環境影響評価調査報告書」を東京都に提出。同月31日に公表されました。

実際の開業までには、環境アセスメント(環境影響評価)の開始から10年程度はかかるとみられているので、東山手ルートの開業は2028年度末になりそうです。

この新路線が開業すると、東京都心から羽田空港へのアクセスが劇的に改善されることになります。

例えば、新宿から羽田空港までは現在乗り換えも必要で最短でも43分ほどかかっています。

しかし西山手ルートが開業すると23分ほどになり時間の短縮が見込まれます。

さらに渋谷・新宿・池袋などからの直通運転も検討しており、この新路線の整備によりオフィス拠点としての価値も高まり活性化が期待できます。

羽田空港アクセス線と新空港線

大田区、JR東日本の資料を基に作成。

羽田空港アクセス線による影響

羽田空港アクセス線の開業の一方で、東京モノレールや京急電鉄、各社の空港バスなどの羽田空港へのアクセス交通会社に対して一定の影響が出るのは確実です。

しかし羽田アクセス線をめぐって、京急電鉄も手をこまねいて見ているだけではありません。

東急線の蒲田駅と京急線の蒲田駅を結び、京急空港線乗り換えで羽田空港へアクセスを改善する「新空港線」(蒲蒲線)の計画を出しています。

新空港線はJR東日本の羽田空港アクセス線とともに、東京都が事業化に向けて設置した鉄道建設基金の対象となっています。

将来的には、東急東横線に乗り入れや東京メトロ副都心線を通って東部東上線や西武池袋線方面への直通運転を視野に入れているようです。

今後は、西山手ルートや臨海部ルート、さらに蒲蒲線も開業に向けて動き出そうとしております。

この新路線計画は、首都圏の鉄道網に大きな変化をもたらすきっかけになります。

羽田空港を取り巻く企業や地方取引している企業、海外を中心に取引している企業など、物の流通だけではなく人の移動にも大きな影響を与えます。

そしてビジネスマンを取り巻く環境や、その家族の住環境の変化へと繋がっていくことになりそうです。

それに伴い、エリアによって不動産価格の変動が出てくるので、新路線計画のルートや完成時期もより一層注目していく必要があります。

参考:東京都、大田区、JR東日本