都市再生緊急整備地域について

緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域

都市再生緊急整備地域とは都市再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として、政令で指定する地域です。

現在、都市再生緊急整備地域として51地域(令和4年5月2日時点)が指定されています。

都市再生緊急整備地域においては、土地利用規制の緩和や、都市計画の提案、事業認可等の手続期間の短縮、民間プロジェクトに対する金融支援や税制措置を受けるための国土交通大臣の認定等の特別な措置を受けることが出来ます。

都市再生緊急整備への経緯

都市再生特別措置法の成立

1990年代のバブル経済崩壊後、不良債権化した不動産は手付かずの状態や高度な利用ができずに、有効活用ができないままでした。

さらに社会の情報化や国際化など、大きな変化に各都市が対応できないため、再開発を促す目的で平成14年(2002年)に「都市再生特別措置法」が制定されました。

施行された法律では、容積率や建蔽率、敷地規模制限などの各種規制を緩和して経済的にも魅力のある建物が建設できるようにしました。

※参考:「国土交通白書(平成14年)」

特定都市再生緊急整備地域となる15地域

都市の国際競争力の強化を図る上で、特に有効な地域と政令で定められた地域が平成23年(2011年)に都市再生特別措置法が改正されて特定都市再生緊急整備地域となりました。2022年7月の時点で15地域あります。

東京都で見てみると、6つの地域が特定地域に指定されています。

千代田区・中央区・港区・江東区にまたがる【特定地域】東京都心・臨海地域 2,040ha

港区・品川区【特定地域】品川駅・田町駅周辺地域 184ha

新宿区・渋谷区【特定地域】新宿駅周辺地域 221ha

渋谷区【特定地域】渋谷駅周辺地域 139ha

豊島区【特定地域】池袋駅周辺地域 143ha

神奈川にもまたがりますが大田区・川崎市【特定地域】羽田空港南・川崎殿町・大師河原地域 339haとなります。

※内閣府「地方創生」の資料を基に作成

このエリアで該当するものでは、2022年3月12日に開通した多摩川スカイブリッジなどがあります。

千代田区・中央区・港区・江東区にまたがる【特定地域】東京都心・臨海地域 2,040haに注目してこのエリアでの今後の開発予定を見てみましょう。

丸の内エリア

2021年にTOKYO TORCH(東京トーチ)常盤橋タワー オフィス・商業施設 40階 212メートル

2027年にはTOKYO TORCH(東京トーチ) TORCH TOWER オフィス・商業施設の他、ホテル・観光施設・住宅・ホールなど 63階 390メートル

日本橋エリア

日本橋一丁目中地区 2025年に52階 284メートルのオフィスや住宅・ホテルなどが入った施設完成予定

2027年着工2032年完成予定 27階 140メートルのオフィス・文化体験施設・商業施設

八重洲エリア

東京駅前八重洲一丁目東地区 2025年に54階 250メートルのオフィス・バスターミナルも入った商業施設完成予定

八重洲二丁目中地区 2025年 46階 240メートルのオフィスビル

八重洲一丁目北地区にも 45階 234メートルのオフィス・ホテル・店舗の入ったビル

京橋エリア

京橋三丁目東地区 2025年着工2029年完成 35階 180メートル オフィス・ホテル・店舗それ以外にも数多くの開発が予定されています。

交通網の強化のための増設

そして東京は交通ネットワークの強化として新線の計画も多いです。

羽田空港アクセス新線(田町駅付近~羽田空港)と
新空港線(蒲田~京急蒲田)

利用者の増加が見込まれる羽田空港へのアクセスの効率化のために新線を増設することになりました。

東京貨物ターミナル~羽田空港新駅を結ぶ「アクセス新線」

東急蒲田駅~京急蒲田駅を結ぶ「新空港線」

新線によって東京や新宿、新木場そして渋谷方面から乗り換えなしで羽田空港へ行くことができるようになります。

※大田区およびJR東日本の資料を基に作成

有楽町線の延伸(豊洲~住吉)

東京8号線は有楽町線の延伸により、練馬方面または千葉方面から住吉、東陽町を経由して豊洲へと繋がっています。

路線が通る江東区は縦断する交通機関ができることで、より一層の交通の効率化が期待されています。

※東京メトロの資料を基に作成

大江戸線の延伸(光が丘~大泉学園町)

練馬区の北西部は鉄道空白地域で、最寄りの駅まで1km以上離れていて都心へのアクセスが不便でした。

光が丘から大泉学園町まで延伸することにより、新宿副都心へのアクセスがしやすくなります。

※練馬区の資料を基に作成

「多摩都市モノレール延伸

多摩地域の南北の交通機関として整備された多摩都市モノレールですが、さらに地域間の連携をとるために、路線の延伸に向けて具体的な調整が行われています。

  • 上北台~箱根ヶ崎
  • 多摩センター~町田
  • 多摩センター~八王子

まとめ

全国規模で実施されている都市開発ですが、特定都市再生緊急整備地域などは大都市に多く見られます。

都市開発が進めば人が集まりますので、住居需要も増えます。ワンルームマンションを選ぶなら、今後の開発が目白押しの東京を選びましょう。

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